MAD作品って、こんなに多かったのか。その2

YouTubeへの“輸出”も――ひろゆき氏が語る「ニコニコ動画」の今 (1/2) - ITmedia NEWS
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 昨日、ニコニコ動画記事を書きました。そうしたら、その後偶然にもITmediaひろゆきニコニコ動画に関するインタビューが載りました。ひろゆきMAD作品についての感想も書かれているようなので、その2のはじまり、はじまり。

ひろゆきから見たMAD作品と、P2Pとの違い

 ひろゆきも、ニコニコ動画に独自の作品(既存の作品をただ持ってきたものでないもの)が出てきたことは気づいていたようです。やっぱりというか、なんというか、やはり好意的です。

 動画を作る人は「誰かに見てもらいたい」とか「反応が欲しい」という思いがあると思いますが、YouTubeだとあまりコメントがもらえない。だからまず、ニコニコにアップして反応を見て、それが面白いと思った人がYouTubeにアップしているようです。そういう意味ではニコニコも、サービスとしての価値がちゃんと存在しているんだなぁと。
 職人さんの技術力も上がってきました。ゲームの動画をうまく切り貼りして、関係ない音声と組み合わせるとか、「すげーな」と思うような技術を持つ人がいます。そういう人が仕事になるレベルで活躍できる仕組みを作ることができればな、と思っています。

YouTubeへの“輸出”も――ひろゆき氏が語る「ニコニコ動画」の今 (1/2) - ITmedia NEWS

 ここの「動画を作る人は『誰かに見てもらいたい』とか『反応が欲しい』という思いがあると思います」部分は、ナルホドの部分でした。確かに、YouTubeのコメント欄で日本語のコメントはあまり見ません。説明が外国語のため、アカウントを持っている人もあまりいないと思います。手軽に発表の場が作れ、見てくれる人もそこにいる。職人が集まるのは、そのためかもしれません。
 また、これはP2Pとの違いでもあると思いました。そんなに詳しく知らないのですが、P2Pでは、ダウンロードだけして、アップロードをしない人が否定的に見られると聞きます。つまり、P2Pは一種の物々交換の場所なのではないか*1。そのため、交換する物を持ってこない人は嫌われるのではないか。おそらく、YouTubeもそのような場所となっているのではないかと思います。
 一方、ニコニコは発表の場所になった。理由は、先に書いたようにコメントのしやすさなどの違いがあったから。見るほうも、もともとのニコニコ動画の狙いである「皆で動画を楽しめる」が味わえるため、より多くコメントをするのだと思います。

著作権に関してと、そのままうpするより作る方が面白い。

 ひろゆきは、著作権について次のようにも書いています。

 独自の動画投稿サービス「SMILEVIDEO」では、著作権法違反の動画は、投稿時に注意をしたり権利者から連絡があり確認が取れ次第随時対応していますから、あからさまに著作権法違反のコンテンツはアップロードされにくくなりました。ユーザーは、著作権に触れず、みんなが楽しめるものを模索し始めています。
 マッシュアップを工夫した動画が出てきたりしています。そのまま載せるだけだと明らかに著作権侵害になるコンテンツでも、他のコンテンツと組み合わせてマッシュアップしてしまうと、明確に著作権法違反になるのか、引用とされるのかか分からない、グレーな状況になり、削除されにくくなりますから。

YouTubeへの“輸出”も――ひろゆき氏が語る「ニコニコ動画」の今 (2/2) - ITmedia NEWS



 ひろゆきはグレーな状況になると言っていますが、個人的にはかなり黒に近いグレー(というか黒)だと思います。少なくとも、文部科学省(裁判所)が考えている引用の条件から見れば当てはまるものは殆どないと思います。
 でも、心情としては「そのままうpしたらやばいだろうけど、改変したものなら見逃してくれるだろう」が起きる可能性はある。というか、高い。パロディが擁護されることが多いのと、同じ理由でしょうか。
 私としては、著作権法違反だからと言うよりも、そのままうpするより作る方が面白いからだと考えています。ドラえもんの衣装が変わったとき、2ちゃんねるではその画像を色々弄って遊んでいました。これと同じで、ただ見るより作った方が面白いじゃないですか。
 さらに、いいMAD作品を作ると、自分もそんな作品を作りたくなる。絵や音楽を一から書いたり作ったりする必要はない。
 「自分にもできるかな?」 そんな思いをMAD作品は引き起こしてくれる。

*1:交換した物も手元に残る(コピー)のが特徴的ですが